Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
堀口 直樹; 吉田 啓之; 金子 暁子*; 阿部 豊*
日本機械学会関東支部第29期総会・講演会講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2023/10
軽水炉の炉心溶融事故で想定される液体ジェット状溶融燃料の浅水プール中挙動の解明と評価手法の開発のため、液液系模擬実験で取得した壁面衝突液体ジェットの3次元界面形状データを用いて渦状液膜挙動を調査した。
高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 小野 礼人; 山本 風海; 金正 倫計
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4101405_1 - 4101405_5, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)パルス電磁石を高精度に設計するためには、励磁するパルスパターン形状に依存して発生する渦電流の効果を正確に確認する必要がある。渦電流の効果の違いによってコイルに流れる電流分布は変わるため、その結果、磁場分布の変動やコイルの発熱にも影響を与える。J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)用の新型バンプマグネットを用いて評価試験を実施した。台形型のパルスパターンを用いて励磁し、磁場が変化するパターンの立ち上がり部と磁場の時間変化が無いフラットトップ部で磁場分布が異なることを磁場測定で確認し、励磁パターンと磁場分布の時間変化の関係性を明らかにした。これらの結果を使用することで、磁場分布の影響を受ける入射ビームの軌道制御に対しても高精度なコントロールが可能となり、また、励磁パターンのパルスの時間幅、発熱対策、且つ、コイル形状の最適化も可能になった。ここでは、実施した試験の結果、評価・検証の結果を紹介する。
松下 健太郎; 江連 俊樹; 今井 康友*; 藤崎 竜也*; 田中 正暁
日本機械学会関東支部茨城講演会2021年度講演論文集(インターネット), 4 Pages, 2021/08
ナトリウム冷却高速炉の原子炉容器内自由液面部でのガス巻込み現象の評価において、ガス巻込み現象の評価ツールとして「Stream Viewer」の開発を進めている。Stream Viewerは、渦周りの速度分布およびBurgus渦モデルを用いて渦中心の減圧量を算出し、その渦のくぼみ深さを予測するツールである。本報では、速度分布から連続的な渦中心線を抽出する機能をStream Viewerに実装し、渦中心線に沿った減圧量の3次元分布を評価する手法を検討した結果を報告する。矩形流路体系での非定常渦の水流動実験を対象に、渦中心線抽出機能を実装したStream Viewerを適用し、渦中心線の抽出が可能であることを確認した。また、渦中心線に沿った減圧量の分布特性から、ガス巻込みの成長の有無を予測し、評価手法を高精度化できる見通しを得た。
松下 健太郎; 藤崎 竜也*; 江連 俊樹; 田中 正暁; 内田 真緒*; 堺 公明*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 6 Pages, 2021/05
ナトリウム冷却高速炉の冷却材自由液面部におけるガス巻込み渦について、数値解析によりガス巻込み量を評価する手法を開発している。本研究では、計算負荷を抑制し、かつ渦形状の予測精度を確保した解析メッシュの自動作成手法を調査し、その手法としてadaptive mesh refinement(AMR法)を非定常後流渦の体系を対象にすることによって検討した。メッシュ詳細化の基準として渦度、速度勾配テンソルの第二不変量(Q値)および速度勾配テンソルの固有方程式の判別式について検討し、Q値によるAMR法の適用がもっとも効率よく解析メッシュを詳細化できる見通しを得た。
山本 風海; 山川 恵美*; 高柳 智弘; 三木 信晴*; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 仲野谷 孝充; et al.
ANS RPSD 2018; 20th Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division of ANS (CD-ROM), 9 Pages, 2018/08
J-PARC 3GeVシンクロトロンは1MWのビーム出力を中性子ターゲットおよび主リングシンクロトロンに供給するためにビーム調整を進めている。現在は最大500kWの出力で運転を行っているが、現状最も放射化し線量が高い箇所はリニアックからのビーム軌道をシンクロトロンに合流させる入射部である。この放射化はビーム入射に使用する荷電変換フォイルとビームの相互作用によるものであるが、フォイルを使う限り必ず発生するため、周辺作業者への被ばくを低減するための遮蔽体を設置できる新しい入射システムの検討を行った。フォイル周辺は入射用電磁石からの漏れ磁場で金属内に渦電流が流れ、発熱することがこれまでの経験から判っているため、その対策として金属の遮蔽体を層状に分け、その間に絶縁体を挟む構造を考案した。遮蔽計算の結果から、9mmのステンレスの間に1mmの絶縁体を挟んでも遮蔽性能は5%程度しか低下しないことがわかった。
江原 真司*; 高村 宏行*; 橋爪 秀利*; 山野 秀将
International Journal of Hydrogen Energy, 41(17), p.7139 - 7145, 2016/05
被引用回数:7 パーセンタイル:18.15(Chemistry, Physical)本研究では、約1,000,000までの高レイノルズ数領域を扱う日本のナトリウム冷却高速炉のコールドレグ配管の1/7縮尺モデル試験体を含む実験装置を用いて流動可視化及び圧力測定を実施した。流れ場に関して、流動はく離が第3エルボ内側に現れた。しかしながら、そのはく離域は、第1エルボのそれより主流方向と垂直な方向には小さく、周流方向には大きかった。これは、第2エルボ下流で形成される旋回流が多少減衰しつつも第3エルボに流れ込むからであると考えられる。圧力変動試験から、エルボ下流0.0D0.4D(Dは配管直径)の領域において、無次元周波数であるストローハル数が約0.4で圧力変動の卓越周波数が現れることが分かった。また、出口側下流の0.75Dの領域では、ストローハル数が約0.7で弱いピークが見られた。
江原 真司*; 高村 宏行*; 橋爪 秀利*; 山野 秀将
Proceedings of 17th International Conference on Emerging Nuclear Energy Systems (ICENES 2015) (CD-ROM), 6 Pages, 2015/10
本研究では、約1,000,000までの高レイノルズ数領域を扱う日本のナトリウム冷却高速炉のコールドレグ配管の1/7縮尺モデル試験体を含む実験装置を用いて流動可視化及び圧力測定を実施した。流れ場に関して、流動はく離が第3エルボ内側に現れた。しかしながら、そのはく離域は、第1エルボのそれより主流方向と垂直な方向には小さく、周流方向には大きかった。これは、第2エルボ下流で形成される旋回流が多少減衰しつつも第3エルボに流れ込むからであると考えられる。圧力変動試験から、エルボ下流0.0D0.4D(Dは配管直径)の領域において、無次元周波数であるストローハル数が約0.4で圧力変動の卓越周波数が現れることが分かった。また、出口側下流の0.75Dの領域では、ストローハル数が約0.7で弱いピークが見られた。
渡辺 正; 近藤 昌也
JSME International Journal, Series B, 49(2), p.296 - 301, 2006/05
原子力プラントでは、円柱構造物がさまざまな流れの条件のもとに使用されており、その流動誘起振動現象の解明は原子炉の安全確保にとって重要である。本報告では、数値シミュレーションにより円柱の流動誘起振動現象を解析した結果について述べる。シミュレーションでは、3次元非圧縮ナビエストークス方程式を有限要素法を用いて解き、円柱の運動と流れ場を連成させ、流れ方向及び流れと垂直方向への円柱の振動と円柱に作用する力,流れ場の渦の状態について考察した。流れ方向の振動は、換算流速が4.0以下で起こり、2.5以下では対称渦、2.9以上では交互渦の発生が見られたが、2.6付近では振動は起こらず、実験と良い一致を示した。交互渦の発生する条件では、流れと垂直方向への振動が支配的であり、垂直方向の振動により、円柱の抵抗係数,揚力係数のいずれもが増加し、また、流れ場の渦構造が時間的にも空間的にも微細化することが明らかとなった。
町田 昌彦; 小山 富男*; 大橋 洋士*
Physica C, 437-438, p.190 - 194, 2006/05
被引用回数:3 パーセンタイル:17.95(Physics, Applied)本発表では、フェルミ原子ガスの渦糸構造についての最新の数値シミュレーション結果を報告する。フェルミ原子ガスの超流動状態の理論的枠組みは、超伝導と同一であり、超伝導の物質パラメータにおいてそれが実現していると仮定するなら、極めて高温(室温以上)での超伝導が実現しており、超強結合超伝導に位置づけられる。この事実より、フェルミ原子ガスは、未だ実現していない高温での超伝導状態を予言できる対象として学問的価値が高いと評価されており、そこで出現する量子渦糸は極めて特異の構造を持つことから多くの研究者の興味を惹いてきた。発表者は、最近、この渦糸構造を厳密対角化法を適用し量子状態を求め、渦糸構造の特異な振る舞いの一旦を明らかにしている。講演では、渦糸周辺の物質密度分布や励起状態の分布などについて発表し、その物理的意義を示す予定である。
栗原 研一; 川俣 陽一; 末岡 通治; 細山 博己*; 米川 出; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 井手 俊介; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.527 - 536, 2005/11
被引用回数:11 パーセンタイル:59.86(Nuclear Science & Technology)トカマク型核融合研究は、実験炉ITERを国際協力で製作する段階へと一歩踏み出そうとしている中で、JT-60を含む既存のトカマク装置は、さらなる先進的運転シナリオを求めて実験探究することが期待されている。そのようなシナリオをJT-60のプラズマ実験で検証するために、プラズマ平衡状態を把握する基本的な方法群を、ITERへの応用も視野にいれつつ開発して来ている。一部は既に完成しているが、以下の課題も残っている。すなわち、(1)実時間かつ高精度でプラズマ断面全体像を再構築する機能(プラズマ全電流や磁気軸なども含む)。(2)構造物に流れる渦電流も考慮する機能。(3)断面内のプラズマ電流分布も実時間で制度よく再構築する機能。(4)DT燃焼時には、プラズマ近傍には耐放射線性に優れたピックアップコイルセンサーを設置し信号積分して磁場に変換する。同時に遠方には耐放射線性に劣る絶対磁場計測センサーを配置し、遠方定常センサーで近傍センサー用積分器を時折補正することになるが、その補正演算機能。以上4項目である。シンポジウムでは、これらの方法をJT-60における実験結果やITER体系での計算とともに示す。また、それらの議論に基づき、ITERや核融合発電実証プラントにおけるプラズマ平衡制御の未来像についての予想を試みる。
印 貞治*; 島 茂樹*; 中山 智治*; 石川 洋一*; 外川 織彦; 小林 卓也; 川村 英之
月刊海洋, 37(9), p.674 - 680, 2005/09
本報告は、日本海洋科学振興財団,京都大学及び原研が協力して実施している下北沖海域における現況解析・海況予測システムの構築について解説するものである。この事業の中で、原研は同財団からの受託研究として、気候値を使用した海水循環モデル及び海水中放射性核種移行モデルの整備、並びにモデルの検証と改良のための沈降粒子特性データの取得実験を担当している。本解説では、解析・予報システムの概要と整備の進捗状況を述べるとともに、システムを使用した予備計算結果を示した。予備計算の結果、データ同化モデルにより西部北太平洋における解析・予報結果が改善されることが理解され、また下北沖海域特有の沿岸モード(冬季)と渦モード(夏季)がほぼ再現されることがわかった。
町田 昌彦; 小山 富男*
Physical Review Letters, 94(14), p.140401_1 - 140401_4, 2005/04
被引用回数:44 パーセンタイル:82.38(Physics, Multidisciplinary)フェルミ原子ガスのBCS型超流動の実現が2004年に確認されたが、直接的証拠がないため未だ論争が続いている。直接的にこの事実を確認するためには、系を回転させ、回転が量子化される結果として現れる量子渦糸を観測するのが最も直接的である。しかしながら、BCS型超流動の場合は、渦糸中心にもフェルミ粒子が存在できるため、中心の粒子密度があまり減少せずに観測が困難であるとの認識が一般的であった。これに対し、著者らはBCS-BECクロスオーバー領域では強い引力により2原子分子ができ、これが渦糸中心で激減することによって観測が容易であることを示したほか、上記クロスオーバー領域からBCS領域に向けて渦糸中心の粒子密度分布の定量的変化をシミュレーションにより明らかにし、観測可能領域を予言することに成功している。
町田 昌彦; 小山 富男*
Proceedings of Ryukoku Workshop on Mathematical Aspects of Pattern Formation and Dynamics in Dissipative Systems, p.51 - 59, 2005/00
本講演では、超伝導体からフェルミ原子ガスまで、フェルミ粒子系が極低温で相転移を起こした状態において現れる超流動の普遍的性質を議論する。その際、巨視的な量子現象として超流動の特徴的オブジェクトである量子化した渦糸をもとに議論し、フェルミ粒子間の相互作用により、その渦糸が閉じた円筒型から閉じることの無いスパイラルというパターンまで豊かなバラエティを持ちうることを明らかにする。従来、超流動状態でスパイラルというパターンは予測されたことがなく、本講演で発表する概念は全く新しいものであることを付記する。
佐竹 信一*; 功刀 資彰*; 内藤 宣仁*; 高瀬 和之; 小瀬 裕男*
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 4 Pages, 2004/12
乱流は原子炉内でよく見られる現象であり、流体中の乱れのエネルギーによって伝熱機構や流動パターンが大きく変化することがわかっている。特に、磁場中においては流路内の速度分布は壁近傍で特有の速度勾配を持つことが指摘されている。そこで、磁場中における大規模乱流構造を直接計算によって調べた。基礎方程式は直交座標の3次元非圧縮性Navier-Stokes方程式と連続の式である。空間方向の離散化は、流れ方向にフーリエスペクトル法、流れと垂直方向に二次精度中心差分を用いた。また、時間方向には、非線形項は三次精度Runge-Kutta法、粘性項はCrank-Nicolson法で離散化した。一連の解析で予測した磁場中における高レイノルズ数乱流速度分布は、実験値とよく一致することがわかった。本提案の解析手法を使って磁場中における乱流構造を直接計算できる高い見通しが得られた。
浦田 一宏*; 鈴木 優*; 工藤 文夫*; 木村 晴行; 三浦 幸俊; 山本 正弘
Fusion Engineering and Design, 56-57, p.849 - 853, 2001/10
被引用回数:4 パーセンタイル:33.39(Nuclear Science & Technology)真空容器の内壁を強磁性・フェライト鋼板でカバーすることがJFT-2Mの先進材料プラズマ試験(AMTEX)の第3段階で計画されている。フェライト鋼板(設計例)に対してプラズマディスラブション時に作用する全電磁力を3次元電磁場解析コードEDDY3Dを用いて計算するとともに、フェライト鋼板における磁化と渦電流の結合効果を評価した。真空容器に対してボルトで固定するフェライト鋼板の支持構造の健全性をこの計算により確認した。
蕪木 英雄; 清水 大志; 鈴木 惣一朗*
パソコンで見る流れの科学; 数値流体力学入門, p.258 - 285, 2001/07
格子ボルツマン法による流れの数値シミュレーション手法について歴史的背景,考え方の基礎をやさしく解説した。数値シミュレーションの例として板の後流について、読者が自由にレイノルズ数を設定しカルマン渦列の観察を行えるようプログラミングを行った。またパソコン上のInternet Explorerで可視化できるよう、プログラミングはJavaで行った。これにより2次元で最大レイノルズ数230程度までのカルマン渦列の時間発展を計算しながら観察可能である。
斉藤 和男*; 石田 紀久
JAERI-Tech 2001-039, 25 Pages, 2001/06
大型船舶用原子炉MRX及び深海調査船用原子炉DRXにおいては、蒸気発生器を原子炉容器に内装する一体型構造を採用している。蒸気発生器はヘリカルコイル貫流型であり、多数のコイル(伝熱管)が、炉心を内包する原子炉容器内筒を取り巻くようにアニュラー空間内に設置されている。この伝熱管の管外流及び管内流により発生すると予想される流力振動を簡易計算により評価し、支持点ピッチの妥当性を検討した。
仙田 郁夫; 荘司 昭朗; 荒木 政則; ITER国内設計チーム; ITER Joint Central Team
International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, 13(1-4), p.349 - 357, 2001/00
ITER(国際熱核融合実験炉)の工学設計活動において検討された、ITERの磁場配位制御系のシステム設計について報告する。システムとして最適化を行うためには、個々の部分でのモデル化及び検討では不十分であり、さまざまな部分からなるシステム全体を考慮した解析を行う必要がある。ITER工学設計においては、炉心プラズマ,真空容器などの機器に誘起される渦電流、及びコイルから構成されるプラントモデルに、計測・データ処理,制御器,アクチュエーターのモデルを加えた総合的な解析モデルを作成し、システムの特性を検討し、最適化を進めている。講演では、電磁応用機器としての特性を、解析結果を示して、紹介する。
陳 振茂
JNC TN9400 2000-021, 104 Pages, 2000/03
本報告書はJNCにおいて行われた2年間のポストドクター研究の成果を取りまとめたものである。本研究は磁性及び非磁性の構造物を対象に電磁非破壊検査法の向上または新規開発を目指して、渦電流探傷法を用いた自然き裂の形状再構成及び損傷誘起磁化現象の解明と非破壊検査への応用に関する研究を実施した。渦電流検査法の向上には自然き裂の形状を再構成するアプローチを提案し、理想化したき裂モデルに対して再構成を行うことによってその有効性を実証した。自然磁化に関する研究では損傷誘起磁化と損傷の相関の解明及び弱磁性体のSUS304構造物の非破壊検査への適用妥当性を試験手法で評価した。また、測定した磁束漏洩信号から材料内部の磁化分布(損傷の状態と相関する)を再構成するために、最適化手法及びウェーブレットを用いた手法を提案し、実際に測定したデータの逆解析を行った。解析した結果はコロイド法によって計測した磁化に分布と定性的によく一致し、提案手法の有効性を確認した。
堺 公明; 森下 正樹; 岩田 耕司; 北村 誠司
JNC TN9400 2000-012, 43 Pages, 2000/03
サイクル機構では、温度計さや管の破損を防止する観点から、渦励振および乱流励振に対する評価方法を整備するとともに、それらの実験的検証を進めている。本試験研究は、配管内水流中の円柱の渦励振に関して、従来ほとんど報告が見当たらない構造減衰の影響を調べた試験データを取得し、設計基準等で採用している渦励振の回避・抑制条件の妥当性の検討に資することを目的としている。流力振動試験は、配管によるループを用いて、配管内に突き出した片持ち支持の円柱試験体について行った。円柱試験体は合計4体で、外観寸法が同一の円柱の内部に質・量の異なる粘性体を充填することにより構造減衰を変化させた。円柱試験体の換算減衰Cnは、それぞれ、0.49,0.96,1.23,2.22であった。無次元流速(Vr)が約0.7約5の範囲(Vr=1におけるレイノルズ数:約810の4乗)で流速を漸増し円柱の変位を測定した。その結果、換算減衰0.49および0.96の試験体は、無次元流速1以上において流れ方向振動が発生したが、換算減衰1.23および2.22の試験体は、振動は、直径の1%以下のレベルに抑制され、有意な渦励振は認められなかった。流れ方向および流れ直交方向渦励振の抑制条件として、ASMEボイラ・圧力容器規格SecIII,Appendix N-1300やサイクル機構の策定した「温度計の流力振動防止のための設計方針」に用いられている判定基準「Vr3.3かつCn1.2」は、本試験体系(配管内水流片持ち支持円柱)の範囲において概ね適切であった。